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地球壜による、地球壜のための、地球壜がつづる、思索
再生可能エネルギー発電量とは
再生可能エネルギー発電量とは
2012/4/30 2:00
日本経済新聞
▽…経済産業省の試算では、太陽光など5種類の再生可能エネルギーで発電した電気の量は、2011年度時点で約1945万キロワット(出力ベース)。国内の全発電量の1%程度にとどまる。原子力の代わりの電源として期待され、地球温暖化対策としても普及促進が求められているが、発電コストは火力発電などに比べて高い。
▽… 再生エネで発電した電気を電力会社が固定価格で買い取る制度が7月から始まれば、発電事業者は安定的な収益が得られるようになるため、参入企業が増える見通し。経産省は12年度だけで再生可能エネの発電量が前年度比で約13%(250万キロワット)伸びると予測している。
再生可能エネルギーの発電量と予測
(単位:キロワット) 2011年度
(既存設備分) 12年度の導入見込み(新設分)
太陽光 480万 200万
風 力 250万 38万
中小水力 955万 6.5万
バイオマス 210万 6万
地 熱 50万 0万
合 計 1945万 250万
(注)経産省資料から作成、出力ベース、概算
2012/4/30 2:00
日本経済新聞
▽…経済産業省の試算では、太陽光など5種類の再生可能エネルギーで発電した電気の量は、2011年度時点で約1945万キロワット(出力ベース)。国内の全発電量の1%程度にとどまる。原子力の代わりの電源として期待され、地球温暖化対策としても普及促進が求められているが、発電コストは火力発電などに比べて高い。
▽… 再生エネで発電した電気を電力会社が固定価格で買い取る制度が7月から始まれば、発電事業者は安定的な収益が得られるようになるため、参入企業が増える見通し。経産省は12年度だけで再生可能エネの発電量が前年度比で約13%(250万キロワット)伸びると予測している。
再生可能エネルギーの発電量と予測
(単位:キロワット) 2011年度
(既存設備分) 12年度の導入見込み(新設分)
太陽光 480万 200万
風 力 250万 38万
中小水力 955万 6.5万
バイオマス 210万 6万
地 熱 50万 0万
合 計 1945万 250万
(注)経産省資料から作成、出力ベース、概算
地球温暖化で降雨・蒸発の循環強まる=米科学者ら
地球温暖化で降雨・蒸発の循環強まる=米科学者ら
時事通信
【シンガポール26日ロイター時事】米ローレンス・リバモア国立研究所のポール・デュラク氏を中心とする科学者チームはこのほど米誌サイエンスに発表した研究で、世界の海の塩分の明確な変化を捉えるとともに、降雨と蒸発の循環が地球温暖化によって予想以上に強まっていることを発見した。この研究は、地球の温度が上昇する中で、増大する降雨あるいは強い干ばつによって地球のさまざまな場所がどのような影響を受けるのかを推定するのに役立つと見られる。
科学者チームは、世界の海の塩分濃度パターンが1950〜2000年にはっきりと変化したと指摘した。地球の表面積の71%強は海で、ここには世界の水の97%までが集まっており、海が大気中の水蒸気の主な発生源になっている。
降雨と、陸と海からの蒸発という循環は地球の水循環を成すもので、熱帯などは雨が多く、オーストラリアや米国、北アフリカの大部分などでは雨が少ない。一部の海域の塩分が濃いことは降雨量が少ないことを、塩分濃度が低いところは雨が多いことを示しており、塩分濃度によって降雨パターンの変化を調べることができる。
同チームは、1950〜2000年に水循環が4%強まったとしている。これは気候モデル分析による予想値の倍だ。デュラク氏は「これらの変化は、地球温暖化に反応して、乾燥したところはさらに乾燥し、雨の多いところはさらに雨が増えていることを示唆している」と述べた。
科学者は以前から、蒸発・降雨と海表面の塩分濃度との関係を知っているが、その関係を正確に数量化するのは困難だった。
デュラク氏らは1950〜2000年の塩分データを、気候モデルでの塩分・降雨・蒸発の関係とに結び付けた結果、地球表面の温度が1度上昇するごとに、水循環が8%強まることを発見した。地球の温度は1950〜2000年に0.5度上昇した。しかし、気候モデルによると、温室効果ガスの増加を早急に食い止めなければ温度は今世紀末までに3度上昇すると予想されている。
3度上昇すれば、同循環は最大24%強まり、乾燥と降雨の度合いがさらに高まることになる。デュラク氏はロイター通信へのメールで、「これは既に乾燥しているオーストラリアなどにとって大きな意味合いがある」と指摘した。同氏は、今回の研究は水循環と塩分濃度との関係の初めての正式な数量化だとしている。同氏は、海の塩分濃度は世界気候の健康診断材料としてこれまで以上に関心を集める可能性があると話している。[時事通信社]
(2012/04/27- 10:35)
時事通信
【シンガポール26日ロイター時事】米ローレンス・リバモア国立研究所のポール・デュラク氏を中心とする科学者チームはこのほど米誌サイエンスに発表した研究で、世界の海の塩分の明確な変化を捉えるとともに、降雨と蒸発の循環が地球温暖化によって予想以上に強まっていることを発見した。この研究は、地球の温度が上昇する中で、増大する降雨あるいは強い干ばつによって地球のさまざまな場所がどのような影響を受けるのかを推定するのに役立つと見られる。
科学者チームは、世界の海の塩分濃度パターンが1950〜2000年にはっきりと変化したと指摘した。地球の表面積の71%強は海で、ここには世界の水の97%までが集まっており、海が大気中の水蒸気の主な発生源になっている。
降雨と、陸と海からの蒸発という循環は地球の水循環を成すもので、熱帯などは雨が多く、オーストラリアや米国、北アフリカの大部分などでは雨が少ない。一部の海域の塩分が濃いことは降雨量が少ないことを、塩分濃度が低いところは雨が多いことを示しており、塩分濃度によって降雨パターンの変化を調べることができる。
同チームは、1950〜2000年に水循環が4%強まったとしている。これは気候モデル分析による予想値の倍だ。デュラク氏は「これらの変化は、地球温暖化に反応して、乾燥したところはさらに乾燥し、雨の多いところはさらに雨が増えていることを示唆している」と述べた。
科学者は以前から、蒸発・降雨と海表面の塩分濃度との関係を知っているが、その関係を正確に数量化するのは困難だった。
デュラク氏らは1950〜2000年の塩分データを、気候モデルでの塩分・降雨・蒸発の関係とに結び付けた結果、地球表面の温度が1度上昇するごとに、水循環が8%強まることを発見した。地球の温度は1950〜2000年に0.5度上昇した。しかし、気候モデルによると、温室効果ガスの増加を早急に食い止めなければ温度は今世紀末までに3度上昇すると予想されている。
3度上昇すれば、同循環は最大24%強まり、乾燥と降雨の度合いがさらに高まることになる。デュラク氏はロイター通信へのメールで、「これは既に乾燥しているオーストラリアなどにとって大きな意味合いがある」と指摘した。同氏は、今回の研究は水循環と塩分濃度との関係の初めての正式な数量化だとしている。同氏は、海の塩分濃度は世界気候の健康診断材料としてこれまで以上に関心を集める可能性があると話している。[時事通信社]
(2012/04/27- 10:35)
太陽の北極、磁場反転の兆し 地球温暖化抑制も
太陽の北極、磁場反転の兆し 地球温暖化抑制も
国立天文台など確認
2012/4/22 18:53
国立天文台や理化学研究所などは太陽の北極だけで磁場が反転しつつあることを確認した。11年周期で北極と同時に反転する南極は今のところ変化の兆しがない。過去に地球の気温が下がった時期の太陽活動によく似た状況になりそうで、地球温暖化の一時的な抑制につながる可能性がある。

太陽観測衛星「ひので」の望遠鏡で長期観察した。南北両極にはプラスとマイナスの磁場があり、通常は約11年ごとにほぼ同時に反転する。次の反転は2013年5月と見られていたが、北極だけ前倒しで今年5月にマイナスからプラスに反転する見通しという。
南極がこれから反転する可能性はあるが、現在のままだと5月には両極ともプラスになる。太陽の赤道近くに2つのマイナスの磁場が別にできる「4重極構造」になる可能性がある。
国立天文台によると、17世紀から18世紀に地球に寒冷化をもたらした「マウンダー極小期」と呼ぶ時期にも、太陽が4重極構造だったという。
国立天文台など確認
2012/4/22 18:53
国立天文台や理化学研究所などは太陽の北極だけで磁場が反転しつつあることを確認した。11年周期で北極と同時に反転する南極は今のところ変化の兆しがない。過去に地球の気温が下がった時期の太陽活動によく似た状況になりそうで、地球温暖化の一時的な抑制につながる可能性がある。

太陽観測衛星「ひので」の望遠鏡で長期観察した。南北両極にはプラスとマイナスの磁場があり、通常は約11年ごとにほぼ同時に反転する。次の反転は2013年5月と見られていたが、北極だけ前倒しで今年5月にマイナスからプラスに反転する見通しという。
南極がこれから反転する可能性はあるが、現在のままだと5月には両極ともプラスになる。太陽の赤道近くに2つのマイナスの磁場が別にできる「4重極構造」になる可能性がある。
国立天文台によると、17世紀から18世紀に地球に寒冷化をもたらした「マウンダー極小期」と呼ぶ時期にも、太陽が4重極構造だったという。
温室効果ガス濃度、史上最高レベルに 世界気象機関
AFP
温室効果ガス濃度、史上最高レベルに 世界気象機関
2011年11月22日 10:16 発信地:ジュネーブ/スイス
【11月22日 AFP】世界気象機関(World Meteorological Organisation、WMO)は21日、地球温暖化の主要因となっている温室効果ガスの平均濃度が2010年、史上最高レベルに達したと発表した。
WMOによると、温暖化への影響が最も大きい温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の濃度は2009〜10年の1年間で2.3ppm増えて389.0ppmとなった。これは過去10年間の平均増加量2.0ppmを上回るペース。
報告書の発表に伴い、ミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は「人的活動を原因とする大気中の温室効果ガス濃度は、産業革命以後で再び最高値を更新した」と語った。
代表的な温室効果ガスはCO2のほか、畜産活動やごみ埋め立て地などを排出源とするメタン(CH4)があり、これにバイオマスエネルギーや窒素肥料など人的活動と自然要因の双方を排出源とする一酸化二窒素(N2O)が続く。
WMOの報告書によると、2009〜10年のメタン濃度も前年から5ppb(0.28%)増え1808ppbとなった。永久凍土の溶解や、熱帯地域の湿地帯での排出増加が原因とみられる。メタン濃度は1999年から2006年の間、比較的安定していた。
CO2、メタン同様、N2O濃度も0.8ppb増加して323.2ppbとなった。これは産業化が始まった1750年以前と比べて20%も高い数値だ。
これらの数値について、ジャロー事務局長は、「もし温室効果ガスの抑制に現在、成功したとしても、すでにその影響は今後数10年間の地球環境と気候におよぶだろう」と警告。温室効果ガスと地球上の生物や大洋の複雑な問題について、より一層深い理解を求めた。(c)AFP
温室効果ガス濃度、史上最高レベルに 世界気象機関
2011年11月22日 10:16 発信地:ジュネーブ/スイス
【11月22日 AFP】世界気象機関(World Meteorological Organisation、WMO)は21日、地球温暖化の主要因となっている温室効果ガスの平均濃度が2010年、史上最高レベルに達したと発表した。
WMOによると、温暖化への影響が最も大きい温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の濃度は2009〜10年の1年間で2.3ppm増えて389.0ppmとなった。これは過去10年間の平均増加量2.0ppmを上回るペース。
報告書の発表に伴い、ミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は「人的活動を原因とする大気中の温室効果ガス濃度は、産業革命以後で再び最高値を更新した」と語った。
代表的な温室効果ガスはCO2のほか、畜産活動やごみ埋め立て地などを排出源とするメタン(CH4)があり、これにバイオマスエネルギーや窒素肥料など人的活動と自然要因の双方を排出源とする一酸化二窒素(N2O)が続く。
WMOの報告書によると、2009〜10年のメタン濃度も前年から5ppb(0.28%)増え1808ppbとなった。永久凍土の溶解や、熱帯地域の湿地帯での排出増加が原因とみられる。メタン濃度は1999年から2006年の間、比較的安定していた。
CO2、メタン同様、N2O濃度も0.8ppb増加して323.2ppbとなった。これは産業化が始まった1750年以前と比べて20%も高い数値だ。
これらの数値について、ジャロー事務局長は、「もし温室効果ガスの抑制に現在、成功したとしても、すでにその影響は今後数10年間の地球環境と気候におよぶだろう」と警告。温室効果ガスと地球上の生物や大洋の複雑な問題について、より一層深い理解を求めた。(c)AFP
ニュートリノはやはり光より早いのか-OPERA研究グループが再実験結果を公開
マイナビニュース
ニュートリノはやはり光より早いのか-OPERA研究グループが再実験結果を公開
2011/11/19
ニュートリノ振動を検証する国際共同実験(OPREA実験)の研究グループは2011年11月17日、arXiv.orgに2011年9月22日に報告したニュートリノが光よりも早い可能性があるとした研究論文の第2版を掲載した。
第2版では、OPERA検出器などを前回の研究に比べて高精度化を図ることで、CERN(欧州原子核研究機構:the European Organization for Nuclear Research)のニュートリノビーム源から、約730kmはなれたOPERA検出器までのニュートリノの速度を再度測定した結果を掲載した。
再測定の結果、真空時の光の速度を計算した場合に比べてニュートリノの到達時間は(57.8±7.8(stat.)+8.3-5.9(sys.))nsほど、早く到達したことが確認されたという(前回は60.7±6.9(stat.)±7.4(sys.)ns、ここでのstatは統計誤差、sysは系統誤差)。
これは、前回の実験とほぼ同じで、光の速度に対するミューニュートリノ速度との相対比率が(v-c)/c =(2.37±0.32(stat.)(sys.))×10-5ということに対応するという(前回は2.48±0.28(stat.)±0.30(sys.)×10-5)。また、この結果の信頼度は6.2σとなっている。
なお、研究グループは第2版の最後に、結論として、今回の解析結果は大きな衝撃となるが、まだ未知なる影響などが考えられることは依然変わっておらず、今後も研究を継続して行っていく必要がある、としている。
マイナビニュース
ニュートリノも素粒子 - 5分で理解する素粒子の基礎
尾崎亮太 [2011/11/02]
ヒトも物質も、分子でできており、その分子も原子の組み合わせで構成され、その原子も…とドンドン細かく分解していくと最後はどこに行き当たるのか。言葉通り、「それ以上分割できない粒子」のことを素粒子と呼びます。
例えば脆い石を壁に投げつけると粉々になります。その中の1つの粒をさらに拾い、その大きさに見合った小人がまた壁にぶつけるとやはり粉々になり、さらに小さな小人がまた壁にぶつける…この分割作業を繰り返していくと、逆にやがて硬い粒が出てきます。この粒はどんなに力自慢の小人が壁にぶつけても割れません。この粒を素粒子と言います。素粒子ほど硬くないものは単に粒子と呼びますが、石ぐらいの脆さだと、粒子とも言いません。
二酸化炭素の化学式はCO2で、炭素(C)が1つと酸素(O)が2つから構成されていることを表しています。Cは人体にもたくさん含まれている粒子で、体重70kgの人の場合16kgくらいの炭素があると言われています。16kgの炭素というと、粒子の数にすると1兆の1兆倍以上となるので、もしヒトを、素粒子レベルまで粉々にしようと思ったら、膨大な回数、小人の投手を登板させないと達成できないのです。
さて、素粒子はそれくらい小さいものなので想像がしにくいかもしれないが、実はいくつか種類があります。CやOでもヒトからすれば十分小さいですが、それでも違う名前がつけられているのはそれぞれに個性(役割や特徴)が違うためです。H2Oをたくさん集めると水として、CO2をたくさん集めると二酸化炭素として人間の生活に関わってきます。この2つは水素(H)とCが違うだけなのに、見た目や性質はまったく異なります。素粒子も同じで、個性が違うものがいくつもあります。
素粒子は大きく分けると2種類のみ!
一番身近な素粒子は「電子」と「光子」、そして最近、光よりも早いかもしれない、と話題になっている「ニュートリノ」があげられます。電子とニュートリノは「フェルミ粒子」と呼ばれる仲間で、光子はウィークボソンなどとともに「ボーズ粒子」と呼ばれる仲間です。
ヒトの身近に存在する"モノ"はだいたいフェルミの仲間と思ってよく、見えない力を伝えるのがボーズの仲間と思ってよいです。例えばレントゲンに使われるX線やセンサに使う赤外線など、すべての電磁波は光子で、可視光も光子です。これらは、どう見てもモノっぽくはないですね。電子もモノっぽくないかもしれませんが、電子機器はもちろん、ヒトの体の中にも電子はたくさんありますから、れっきとしたモノであると言えます。
ニュートリノはちょっと変わっていて、モノっぽくないけど、電子の仲間という変わり種の存在です。なぜ、電子の仲間に分類されるかを解説しようと思うと、それだけで話ができてしまうので省略しますが、1つ言えることは、「ニュートリノは力を伝えない」ということです。
"力"、それはメッセージの解釈
我々が平和に地球上で暮らせているのは、HやOといった粒子がさまざまな効果を発揮するほか、さまざまな"力"が存在するおかげです。
例えば、地球と人体の間には万有引力が働いています。これは超常現象でもなんでもなく、ちゃんと「重力子」という素粒子が力を伝えているために発生します。敢えて例えるならばボーズ粒子は「手紙」で、地球とヒトの体は、「私、こういった者なのですが、ご都合よろしければ引き合いましょう」という手紙を絶えず交換し続けている間柄ということになる・
手紙といっても、ビジネスレターから時節のあいさつ、ラブレターまで、いろいろ幅広いですが、素粒子のように小さいと手紙の内容は4種類に絞られます。その4種類の手紙はそれぞれ「重力」「電磁気力」「核力」「弱い力」という4つの力に対応しています。
それぞれに対応した手紙の内容は、簡単に表すと重力が「重力で引き合いましょう」、電磁気力が「電気の力で引き合う、もしくは遠ざかりましょう」、核力が「電気のことは気にせずにくっつきましょう」、弱い力が「くっついているところ悪いんだけど、別れよう」というものになります。単純な内容で、味気ないつまらない話に思えますが、素粒子も大きなモノも、手紙の内容を読まずにいると大変なことになるのは身に覚えがある人も居るでしょう。
極端な話、重力(万有引力)が存在しなければヒトもモノも宇宙空間に放り出されることになります。また、前述のように、ヒトの体には無数のCが含まれてますが、それは大雑把にいうと、陽子が6個集まったものです*。
陽子が集まっている近辺には中性子という粒子があり、この集まりを原子核という。この集まりから(粒子的に)かなり離れた位置に6個の電子が飛んでおり、この原子核と電子の距離がすなわち、炭素原子の大きさを表す
陽子はプラスの電気を持っているので、一般的な常識からすればプラス同士が近づけば反発してバラバラになろうとしますが、CはCとして存在し続けます。
磁石のSとS(もしくはNとN)を近づけても反発してずれてしまうのと似ている
これは、陽子と陽子の間に"核力"、つまり一種の引力が働いているためです。この核力の手紙に書かれた「電気のことは気にせずくっつきましょう」という内容は「グルーオン」と呼ばれます。
粒子によって、興味を示す対象(手紙)が違う
粒子はその種類により、力の感じ方が変わってきます。例えば仮定の話ですが、バスケットボールくんは地球さんが大好きですが、電気は嫌いなので電子さんから「光子」と書かれた手紙 (光子メール。以降、めんどうなので、電磁気力を電気メール、重力子を重力メール、グルーオンを核メール、ウィークボソンを別れメールとしましょう)が送られてきても読みません。しかし、大好きな地球さんから届く「重力子(重力メール)」という手紙は喜んで読み、その結果、そこに書かれている「電気の力で引き合いましょう」ということに興味を示し、お互いに引き合います。
一方、電子さんは電子さんで地球さんとは好きでも嫌いでもない関係なので、地球さんからの重力メールは、目を通し、「重力で引き合いましょう」と書かれていれば、一応読むには読みますが、それよりも大親友である陽子さんに「電気の力で引き合いましょう」と書かれた手紙をもらうと、そっちのほうが興味があるのでそちらに目が行き陽子さんと引き合うために喜んで動き出します。
独立独歩で我が道を行く"ニュートリノ"
ではニュートリノはどうでしょう。ニュートリノは非常に軽いフェルミ粒子で、電気メールも核メールも興味を示さず読みません。重力メールもたまに興味を示しますが、ほぼ読みません。こうした手紙を読まないということは、送っても返事をくれる相手がいないので、書かないということでもあります。ニュートリノが人体に向かって飛んできても、(人体を構成する無数の粒子は)誰もニュートリノに止まれという手紙を出さない(出しても読まれない)し、ニュートリノもニュートリノで人体(を構成する無数の粒子たち)に対して、動け、という手紙を出すこともありません。それ故に、人体をそのまま突き抜け、何らかの影響を及ぼすことがない無害な存在となっています。
え、中性子爆弾ってあるじゃないか、という人も居ると思いますが、これは中性子が電気メールを読まずに核メールを読むという性質を利用したもので、中性子が人体に入ると「中性子放射化」という現象が生じるために人体に影響が出てきます。
自分に興味をまったく示さないものが、たまたま自分の目のはしに映って、気になってきて逆に興味を持ってしまうというのが人間です。小柴昌俊氏がノーベル賞を受賞した理由は「天体物理学、特に宇宙ニュートリノの検出へのパイオニア的貢献」とされていますが、この検出とは、筆不精のニュートリノと手紙のやりとりをすることに他ならず、その手紙をやり取りするための装置が「カミオカンデ」であり、「スーパーカミオカンデ」です。
ただし、カミオカンデで送ったこちらからの手紙の返答を残念ながらニュートリノから直接もらうことはない。ニュートリノと水分子の衝突が「チェレンコフ光」と呼ばれる電気メールを誘発し、検出装置はそれを受け取って反応を示すためだ
2011年9月23日、ニュートリノをジュネーブのCERNから約730km離れたグラン・サッソのイタリア国立物理学研究所研究施設に飛ばしたところ、 2.43ms後に到着し、光速より速いことが計測されました。ただし、この計測結果に対し、多くの人はニュートリノそのものに対する興味としてではなく、相対性理論に対する興味として話題にしています。
ニュートリノが光より早いかどうかと、相対性理論を直接つなげて話をすることは、追証の結果が出てからになるでしょう。その追証も、そんな数週間で出てくるわけがありません。1-2年は猶予を見る必要があるでしょう(2010年6月に小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子の研究も、ようやく基礎的な部分の1部が成果として出てきただけで、これから世界各地で本格的な研究が開始されることを考えれば、その成果がどの程度後から出てくるか想像できるでしょうか)。
こうした世界的な科学に関するニュースが出た時は、その事象に対するアンテナだけは張っておくことに損はありませんが、焦ってもすぐにさらに細かな情報が出てくることは残念ながらありません。次の情報が出るまで、ヤキモキして待つのも良いですが、自分の興味のある分野の研究や科学技術の動性など、そうした話題が出る前から追いかけてきたものをもう一度見直してみると、また、新しい発見や考察が出てくるかもしれません。
ニュートリノはやはり光より早いのか-OPERA研究グループが再実験結果を公開
2011/11/19
ニュートリノ振動を検証する国際共同実験(OPREA実験)の研究グループは2011年11月17日、arXiv.orgに2011年9月22日に報告したニュートリノが光よりも早い可能性があるとした研究論文の第2版を掲載した。
第2版では、OPERA検出器などを前回の研究に比べて高精度化を図ることで、CERN(欧州原子核研究機構:the European Organization for Nuclear Research)のニュートリノビーム源から、約730kmはなれたOPERA検出器までのニュートリノの速度を再度測定した結果を掲載した。
再測定の結果、真空時の光の速度を計算した場合に比べてニュートリノの到達時間は(57.8±7.8(stat.)+8.3-5.9(sys.))nsほど、早く到達したことが確認されたという(前回は60.7±6.9(stat.)±7.4(sys.)ns、ここでのstatは統計誤差、sysは系統誤差)。
これは、前回の実験とほぼ同じで、光の速度に対するミューニュートリノ速度との相対比率が(v-c)/c =(2.37±0.32(stat.)(sys.))×10-5ということに対応するという(前回は2.48±0.28(stat.)±0.30(sys.)×10-5)。また、この結果の信頼度は6.2σとなっている。
なお、研究グループは第2版の最後に、結論として、今回の解析結果は大きな衝撃となるが、まだ未知なる影響などが考えられることは依然変わっておらず、今後も研究を継続して行っていく必要がある、としている。
マイナビニュース
ニュートリノも素粒子 - 5分で理解する素粒子の基礎
尾崎亮太 [2011/11/02]
ヒトも物質も、分子でできており、その分子も原子の組み合わせで構成され、その原子も…とドンドン細かく分解していくと最後はどこに行き当たるのか。言葉通り、「それ以上分割できない粒子」のことを素粒子と呼びます。
例えば脆い石を壁に投げつけると粉々になります。その中の1つの粒をさらに拾い、その大きさに見合った小人がまた壁にぶつけるとやはり粉々になり、さらに小さな小人がまた壁にぶつける…この分割作業を繰り返していくと、逆にやがて硬い粒が出てきます。この粒はどんなに力自慢の小人が壁にぶつけても割れません。この粒を素粒子と言います。素粒子ほど硬くないものは単に粒子と呼びますが、石ぐらいの脆さだと、粒子とも言いません。
二酸化炭素の化学式はCO2で、炭素(C)が1つと酸素(O)が2つから構成されていることを表しています。Cは人体にもたくさん含まれている粒子で、体重70kgの人の場合16kgくらいの炭素があると言われています。16kgの炭素というと、粒子の数にすると1兆の1兆倍以上となるので、もしヒトを、素粒子レベルまで粉々にしようと思ったら、膨大な回数、小人の投手を登板させないと達成できないのです。
さて、素粒子はそれくらい小さいものなので想像がしにくいかもしれないが、実はいくつか種類があります。CやOでもヒトからすれば十分小さいですが、それでも違う名前がつけられているのはそれぞれに個性(役割や特徴)が違うためです。H2Oをたくさん集めると水として、CO2をたくさん集めると二酸化炭素として人間の生活に関わってきます。この2つは水素(H)とCが違うだけなのに、見た目や性質はまったく異なります。素粒子も同じで、個性が違うものがいくつもあります。
素粒子は大きく分けると2種類のみ!
一番身近な素粒子は「電子」と「光子」、そして最近、光よりも早いかもしれない、と話題になっている「ニュートリノ」があげられます。電子とニュートリノは「フェルミ粒子」と呼ばれる仲間で、光子はウィークボソンなどとともに「ボーズ粒子」と呼ばれる仲間です。
ヒトの身近に存在する"モノ"はだいたいフェルミの仲間と思ってよく、見えない力を伝えるのがボーズの仲間と思ってよいです。例えばレントゲンに使われるX線やセンサに使う赤外線など、すべての電磁波は光子で、可視光も光子です。これらは、どう見てもモノっぽくはないですね。電子もモノっぽくないかもしれませんが、電子機器はもちろん、ヒトの体の中にも電子はたくさんありますから、れっきとしたモノであると言えます。
ニュートリノはちょっと変わっていて、モノっぽくないけど、電子の仲間という変わり種の存在です。なぜ、電子の仲間に分類されるかを解説しようと思うと、それだけで話ができてしまうので省略しますが、1つ言えることは、「ニュートリノは力を伝えない」ということです。
"力"、それはメッセージの解釈
我々が平和に地球上で暮らせているのは、HやOといった粒子がさまざまな効果を発揮するほか、さまざまな"力"が存在するおかげです。
例えば、地球と人体の間には万有引力が働いています。これは超常現象でもなんでもなく、ちゃんと「重力子」という素粒子が力を伝えているために発生します。敢えて例えるならばボーズ粒子は「手紙」で、地球とヒトの体は、「私、こういった者なのですが、ご都合よろしければ引き合いましょう」という手紙を絶えず交換し続けている間柄ということになる・
手紙といっても、ビジネスレターから時節のあいさつ、ラブレターまで、いろいろ幅広いですが、素粒子のように小さいと手紙の内容は4種類に絞られます。その4種類の手紙はそれぞれ「重力」「電磁気力」「核力」「弱い力」という4つの力に対応しています。
それぞれに対応した手紙の内容は、簡単に表すと重力が「重力で引き合いましょう」、電磁気力が「電気の力で引き合う、もしくは遠ざかりましょう」、核力が「電気のことは気にせずにくっつきましょう」、弱い力が「くっついているところ悪いんだけど、別れよう」というものになります。単純な内容で、味気ないつまらない話に思えますが、素粒子も大きなモノも、手紙の内容を読まずにいると大変なことになるのは身に覚えがある人も居るでしょう。
極端な話、重力(万有引力)が存在しなければヒトもモノも宇宙空間に放り出されることになります。また、前述のように、ヒトの体には無数のCが含まれてますが、それは大雑把にいうと、陽子が6個集まったものです*。
陽子が集まっている近辺には中性子という粒子があり、この集まりを原子核という。この集まりから(粒子的に)かなり離れた位置に6個の電子が飛んでおり、この原子核と電子の距離がすなわち、炭素原子の大きさを表す
陽子はプラスの電気を持っているので、一般的な常識からすればプラス同士が近づけば反発してバラバラになろうとしますが、CはCとして存在し続けます。
磁石のSとS(もしくはNとN)を近づけても反発してずれてしまうのと似ている
これは、陽子と陽子の間に"核力"、つまり一種の引力が働いているためです。この核力の手紙に書かれた「電気のことは気にせずくっつきましょう」という内容は「グルーオン」と呼ばれます。
粒子によって、興味を示す対象(手紙)が違う
粒子はその種類により、力の感じ方が変わってきます。例えば仮定の話ですが、バスケットボールくんは地球さんが大好きですが、電気は嫌いなので電子さんから「光子」と書かれた手紙 (光子メール。以降、めんどうなので、電磁気力を電気メール、重力子を重力メール、グルーオンを核メール、ウィークボソンを別れメールとしましょう)が送られてきても読みません。しかし、大好きな地球さんから届く「重力子(重力メール)」という手紙は喜んで読み、その結果、そこに書かれている「電気の力で引き合いましょう」ということに興味を示し、お互いに引き合います。
一方、電子さんは電子さんで地球さんとは好きでも嫌いでもない関係なので、地球さんからの重力メールは、目を通し、「重力で引き合いましょう」と書かれていれば、一応読むには読みますが、それよりも大親友である陽子さんに「電気の力で引き合いましょう」と書かれた手紙をもらうと、そっちのほうが興味があるのでそちらに目が行き陽子さんと引き合うために喜んで動き出します。
独立独歩で我が道を行く"ニュートリノ"
ではニュートリノはどうでしょう。ニュートリノは非常に軽いフェルミ粒子で、電気メールも核メールも興味を示さず読みません。重力メールもたまに興味を示しますが、ほぼ読みません。こうした手紙を読まないということは、送っても返事をくれる相手がいないので、書かないということでもあります。ニュートリノが人体に向かって飛んできても、(人体を構成する無数の粒子は)誰もニュートリノに止まれという手紙を出さない(出しても読まれない)し、ニュートリノもニュートリノで人体(を構成する無数の粒子たち)に対して、動け、という手紙を出すこともありません。それ故に、人体をそのまま突き抜け、何らかの影響を及ぼすことがない無害な存在となっています。
え、中性子爆弾ってあるじゃないか、という人も居ると思いますが、これは中性子が電気メールを読まずに核メールを読むという性質を利用したもので、中性子が人体に入ると「中性子放射化」という現象が生じるために人体に影響が出てきます。
自分に興味をまったく示さないものが、たまたま自分の目のはしに映って、気になってきて逆に興味を持ってしまうというのが人間です。小柴昌俊氏がノーベル賞を受賞した理由は「天体物理学、特に宇宙ニュートリノの検出へのパイオニア的貢献」とされていますが、この検出とは、筆不精のニュートリノと手紙のやりとりをすることに他ならず、その手紙をやり取りするための装置が「カミオカンデ」であり、「スーパーカミオカンデ」です。
ただし、カミオカンデで送ったこちらからの手紙の返答を残念ながらニュートリノから直接もらうことはない。ニュートリノと水分子の衝突が「チェレンコフ光」と呼ばれる電気メールを誘発し、検出装置はそれを受け取って反応を示すためだ
2011年9月23日、ニュートリノをジュネーブのCERNから約730km離れたグラン・サッソのイタリア国立物理学研究所研究施設に飛ばしたところ、 2.43ms後に到着し、光速より速いことが計測されました。ただし、この計測結果に対し、多くの人はニュートリノそのものに対する興味としてではなく、相対性理論に対する興味として話題にしています。
ニュートリノが光より早いかどうかと、相対性理論を直接つなげて話をすることは、追証の結果が出てからになるでしょう。その追証も、そんな数週間で出てくるわけがありません。1-2年は猶予を見る必要があるでしょう(2010年6月に小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子の研究も、ようやく基礎的な部分の1部が成果として出てきただけで、これから世界各地で本格的な研究が開始されることを考えれば、その成果がどの程度後から出てくるか想像できるでしょうか)。
こうした世界的な科学に関するニュースが出た時は、その事象に対するアンテナだけは張っておくことに損はありませんが、焦ってもすぐにさらに細かな情報が出てくることは残念ながらありません。次の情報が出るまで、ヤキモキして待つのも良いですが、自分の興味のある分野の研究や科学技術の動性など、そうした話題が出る前から追いかけてきたものをもう一度見直してみると、また、新しい発見や考察が出てくるかもしれません。
異常高温や豪雨増加 温暖化でIPCC報告
産経ニュース
異常高温や豪雨増加 温暖化でIPCC報告
2011.11.19 00:01
地球温暖化の科学的知見を評価する「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は18日、ウガンダでの総会で、温暖化が進むと今世紀中に世界規模で異常高温や豪雨が増えるなどとする特別報告書を公表した。
各国の研究者の論文をもとに、気温や降雨、台風などの変化の度合いを評価。11月末〜12月に南アフリカで開かれる気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)直前に発表することで、2013年以降の温暖化対策の枠組み交渉を後押しする狙いがある。
報告書は「今世紀中に世界規模で極端な高温となる頻度が増えるのがほぼ確実だ」と指摘。温室効果ガスの排出の伸びによっては、極端な猛暑の際の最高気温が今世紀半ばまでに1〜3度、今世紀末までに2〜5度上がる可能性が高いとした。
異常高温や豪雨増加 温暖化でIPCC報告
2011.11.19 00:01
地球温暖化の科学的知見を評価する「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は18日、ウガンダでの総会で、温暖化が進むと今世紀中に世界規模で異常高温や豪雨が増えるなどとする特別報告書を公表した。
各国の研究者の論文をもとに、気温や降雨、台風などの変化の度合いを評価。11月末〜12月に南アフリカで開かれる気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)直前に発表することで、2013年以降の温暖化対策の枠組み交渉を後押しする狙いがある。
報告書は「今世紀中に世界規模で極端な高温となる頻度が増えるのがほぼ確実だ」と指摘。温室効果ガスの排出の伸びによっては、極端な猛暑の際の最高気温が今世紀半ばまでに1〜3度、今世紀末までに2〜5度上がる可能性が高いとした。
原油価格、35年に247ドル=「脱原発」に警鐘も−IEA見通し
時事通信
原油価格、35年に247ドル=「脱原発」に警鐘も−IEA見通し
【ロンドン時事】国際エネルギー機関(IEA)は9日、2011年版の世界エネルギー見通しを公表した。35年時点の原油価格(IEA加盟国の輸入価格)については、各国の地球温暖化対策が現状で推移した場合、1バレル=247.2ドルと10年比で3倍超に上昇するとした。前年見通し(243.8ドル)からも上方修正した。
一方、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、世界的に「脱原発」が進んだ場合の影響も検証。その上で、「新興国が急増する電力需要を満たすことが極めて難しくなる」と警鐘を鳴らした。(2011/11/09-22:40)
原油価格、35年に247ドル=「脱原発」に警鐘も−IEA見通し
【ロンドン時事】国際エネルギー機関(IEA)は9日、2011年版の世界エネルギー見通しを公表した。35年時点の原油価格(IEA加盟国の輸入価格)については、各国の地球温暖化対策が現状で推移した場合、1バレル=247.2ドルと10年比で3倍超に上昇するとした。前年見通し(243.8ドル)からも上方修正した。
一方、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、世界的に「脱原発」が進んだ場合の影響も検証。その上で、「新興国が急増する電力需要を満たすことが極めて難しくなる」と警鐘を鳴らした。(2011/11/09-22:40)
温暖化の事実を突き止める―科学者チームが16億のデータを分析
ウォールストリートジャーナル
温暖化の事実を突き止める―科学者チームが16億のデータを分析
2011年 11月 6日 12:30 JST
温度計がたくさんあれば地球の温度が測れるというわけではない。測量器具や衛星も必要だし、測定数値をまとめるのに使う統計モデルに対する信頼も欠かせない。
それでも温度計で測った数値は重要だ。だからこそ、ある科学者チームは4万近い地上の測候所で2世紀にわたって記録された16億の気温測定値を整理してまとめるという作業に取り組んだ。
その作業には重複した数値や明らかに間違いだとわかる記録(華氏5000度を超える温度など)を削除したり、誤って華氏と表示された温度を摂氏に直したりすることが必要だった。こうした一連の作業に2年近い年月がかかった。このプロジェクトのリーダーによると、この作業でまとめられたデータは数時間で分析することが可能だという。
気温測定値の分析という分野には「巨大な参入障壁があった」と語るのは、この作業を行ったバークレー地球表面温度研究チームの科学ディレクターでカリフォルニア大学バークレー校の物理学者、リチャード・マラー氏だ。
同研究チームによるデータベースの作成に多くの科学者が賞賛を送っている。
バークレー地球表面温度研究チームが出した結論に異論を唱えている一部の科学者さえ、同チームのデータベース作成には賛辞を惜しまない。同チームは自らまとめた気温データを分析し、1950年代中頃以降、地球の陸地の気温は平均で摂氏約0.9度(華氏で1.6度)上昇したと結論づけた。これは過去の小規模データに基づく研究結果と一致している。
このデータベースを入手した科学者の中には、地球が温暖化しているという見方にはほぼ同意しているものの、細かい点では同チームの研究結果に賛成しないという人たちもいる。例えば、同チームのトレンドグラフは1990年代後半以降、温度が上昇し続けていることを示している。しかし、生の数値データにはその期間に気温が上昇したという決定的な証拠は全くない。また、同チームは衛星で観測した気温データを活用していないが、衛星データによると、気温の上昇率が同チームの結論より小さい。このような違いが出たのは、陸上に設置された測候所の一部が適切に管理されていなかったせいかもしれない。
カナダ人数学者のスティーブン・マッキンタイア氏は「陸上の測候所のデータを再構成したものよりも(衛星の)データを重視したい」と言う。マッキンタイア氏は自らが主宰するウェブサイト「クライメット・オーディット(Climate Audit)」で気象に関する記事を執筆しており、温暖化を指摘する研究には批判的な記事を書くことが多い。マッキンタイア氏によると、衛星のデータは過去30年で地上データの半分しか温暖化が進んでいないことを示しているという。
このような議論からわかるのは、地球の温度の調査研究には統計処理が必要であること、そして不確実性がつきものであることだ。測候所が何万カ所あろうとも、地表のほとんどでは観測が行われていない。測候所も信頼できるところもあれば、そうではないところもある。地球の平均温度を計算するには測候所で測った数値から地球全体の温度を推測し、データの誤りや疑わしい観測所を調整することが必要だ。そして、まったく同じ方法で地球の温度を計算するグループは2つとない。
バークレー地球表面温度研究チームはデータに欠落がある場合には同チームがスカルペルと呼ぶ統計手法を用いて、そのデータを取り除く。データの欠落を埋めるにはクリギングと呼ばれるプロセスを採用している。クリギングは地球科学者や測量技師が使う手法で、例えば、標高がわかっているAとCという2つの地点の間にあるB地点の標高を推測したいときに用いられる。同チームはまた、不規則な数値を出す測候所のデータより信頼できる測候所のデータを重視している。
その結果、同チームは過去のどの時点でどの地点が何度だったかを示す統計モデルにたどり着いた。温度計で測定した実際の数値は、入手できるときに資料としてのみ用いられる。米国気象学会(AMS)の確率・統計委員会のメンバー、ウィリアム・ブリッグス氏は、バークレー地球表面温度研究チームが用いるモデルは「非常に複雑だ」と指摘する。
地球の温度の計算は気候のトレンドを追うために必要だ。テレビの気象予報士が言うように、地域によって状況が異なる可能性があるからだ。バークレー地球表面温度研究チームは米国と北欧のかなりの地域では過去70年間にわたって気温が低下したことを発見した。世界中の全ての測候所の3分の1でも気温が低下したが、3分の2では気温が上昇した。同チームはこれが地球全体の温暖化の証拠だとしている。しかし懐疑派は納得していない。この結果は気温が上昇している場所がどのくらい集中しているかに左右されるからだ。気温が上昇している場所がたまたま集まっていて、気温が低下している場所が広く散らばっているとすれば、さらに多くの場所が寒冷化している可能性がある。
統計モデルのリスクは科学者が自分で選んだモデルにとらわれてしまう可能性があることだとマッキンタイア氏は指摘する。マッキンタイア氏は「最良の対抗手段は論文の発表時に執筆者が細かい資料と一緒に全てのデータを公開することだ」と語り、データを公開したバークレー地球表面温度研究チームを評価した。
どの統計モデルを採用しても、結果には一定の不確実さがつきまとう。バークレー地球表面温度研究チームについても同じことが言える。この不確実さのせいで気温のあるトレンドが矮小化されることもある。例えば、過去13年間に地表温度が大きく変動しているため、その期間地球が温暖化し続けたかどうかを判断するのが非常に難しくなっている。
気温の上昇が止まった可能性が浮上したことでバークレー地球表面温度研究チームのメンバーの中で意見が割れた。論文執筆者としてマラー氏と名を連ね、ジョージア工科大学で地球・大気科学を担当するジュディス・カリー教授は英国の大衆紙デイリー・メイルのインタビューの中で、マラー氏の主張に疑問を呈した。マラー氏は「懐疑派であってはならない」とウォール・ストリート・ジャーナルのオピニオン欄で主張している。カリー氏は世界の気温が横ばいになったのであれば、新たな疑問が出てくるとだろうと述べ、科学的な懐疑論は今後も当然存在するだろうと指摘した。カリー氏はさらにコメントを求められると、ミューラー氏に問い合わせてほしいと回答した。カリー氏は自身のブログに、90分間ミューラー氏と話をした結果、「意見が異なる部分は多くはなかった」と記している。
地球の気候についてこのように厄介かつ細かい議論がオープンな場で行われたのは、バークレー地球表面温度研究チームが科学専門誌による論文審査の前にデータと論文を公開したからだ。同チームの研究について既に意見が届いており、これに基づいて情報の更新や訂正が行われている。同チームは今回研究した陸上の温度の記録に海の温度を追加したり、データベースの誤差を修正したりするなど、その他の作業も計画している。
マラー氏は言う。「ピア・レビュー(同分野の専門家による論文審査)が学術誌の匿名の審査員によって秘密裡に行われる審査だという誤った考えを持つ人もいる。われわれはマッキンタイアやブリッグスといった人々から素晴らしいピア・レビューを受けている。それが科学のプロセスというものだ」
記者: Carl Bialik
温暖化の事実を突き止める―科学者チームが16億のデータを分析
2011年 11月 6日 12:30 JST
温度計がたくさんあれば地球の温度が測れるというわけではない。測量器具や衛星も必要だし、測定数値をまとめるのに使う統計モデルに対する信頼も欠かせない。
それでも温度計で測った数値は重要だ。だからこそ、ある科学者チームは4万近い地上の測候所で2世紀にわたって記録された16億の気温測定値を整理してまとめるという作業に取り組んだ。
その作業には重複した数値や明らかに間違いだとわかる記録(華氏5000度を超える温度など)を削除したり、誤って華氏と表示された温度を摂氏に直したりすることが必要だった。こうした一連の作業に2年近い年月がかかった。このプロジェクトのリーダーによると、この作業でまとめられたデータは数時間で分析することが可能だという。
気温測定値の分析という分野には「巨大な参入障壁があった」と語るのは、この作業を行ったバークレー地球表面温度研究チームの科学ディレクターでカリフォルニア大学バークレー校の物理学者、リチャード・マラー氏だ。
同研究チームによるデータベースの作成に多くの科学者が賞賛を送っている。
バークレー地球表面温度研究チームが出した結論に異論を唱えている一部の科学者さえ、同チームのデータベース作成には賛辞を惜しまない。同チームは自らまとめた気温データを分析し、1950年代中頃以降、地球の陸地の気温は平均で摂氏約0.9度(華氏で1.6度)上昇したと結論づけた。これは過去の小規模データに基づく研究結果と一致している。
このデータベースを入手した科学者の中には、地球が温暖化しているという見方にはほぼ同意しているものの、細かい点では同チームの研究結果に賛成しないという人たちもいる。例えば、同チームのトレンドグラフは1990年代後半以降、温度が上昇し続けていることを示している。しかし、生の数値データにはその期間に気温が上昇したという決定的な証拠は全くない。また、同チームは衛星で観測した気温データを活用していないが、衛星データによると、気温の上昇率が同チームの結論より小さい。このような違いが出たのは、陸上に設置された測候所の一部が適切に管理されていなかったせいかもしれない。
カナダ人数学者のスティーブン・マッキンタイア氏は「陸上の測候所のデータを再構成したものよりも(衛星の)データを重視したい」と言う。マッキンタイア氏は自らが主宰するウェブサイト「クライメット・オーディット(Climate Audit)」で気象に関する記事を執筆しており、温暖化を指摘する研究には批判的な記事を書くことが多い。マッキンタイア氏によると、衛星のデータは過去30年で地上データの半分しか温暖化が進んでいないことを示しているという。
このような議論からわかるのは、地球の温度の調査研究には統計処理が必要であること、そして不確実性がつきものであることだ。測候所が何万カ所あろうとも、地表のほとんどでは観測が行われていない。測候所も信頼できるところもあれば、そうではないところもある。地球の平均温度を計算するには測候所で測った数値から地球全体の温度を推測し、データの誤りや疑わしい観測所を調整することが必要だ。そして、まったく同じ方法で地球の温度を計算するグループは2つとない。
バークレー地球表面温度研究チームはデータに欠落がある場合には同チームがスカルペルと呼ぶ統計手法を用いて、そのデータを取り除く。データの欠落を埋めるにはクリギングと呼ばれるプロセスを採用している。クリギングは地球科学者や測量技師が使う手法で、例えば、標高がわかっているAとCという2つの地点の間にあるB地点の標高を推測したいときに用いられる。同チームはまた、不規則な数値を出す測候所のデータより信頼できる測候所のデータを重視している。
その結果、同チームは過去のどの時点でどの地点が何度だったかを示す統計モデルにたどり着いた。温度計で測定した実際の数値は、入手できるときに資料としてのみ用いられる。米国気象学会(AMS)の確率・統計委員会のメンバー、ウィリアム・ブリッグス氏は、バークレー地球表面温度研究チームが用いるモデルは「非常に複雑だ」と指摘する。
地球の温度の計算は気候のトレンドを追うために必要だ。テレビの気象予報士が言うように、地域によって状況が異なる可能性があるからだ。バークレー地球表面温度研究チームは米国と北欧のかなりの地域では過去70年間にわたって気温が低下したことを発見した。世界中の全ての測候所の3分の1でも気温が低下したが、3分の2では気温が上昇した。同チームはこれが地球全体の温暖化の証拠だとしている。しかし懐疑派は納得していない。この結果は気温が上昇している場所がどのくらい集中しているかに左右されるからだ。気温が上昇している場所がたまたま集まっていて、気温が低下している場所が広く散らばっているとすれば、さらに多くの場所が寒冷化している可能性がある。
統計モデルのリスクは科学者が自分で選んだモデルにとらわれてしまう可能性があることだとマッキンタイア氏は指摘する。マッキンタイア氏は「最良の対抗手段は論文の発表時に執筆者が細かい資料と一緒に全てのデータを公開することだ」と語り、データを公開したバークレー地球表面温度研究チームを評価した。
どの統計モデルを採用しても、結果には一定の不確実さがつきまとう。バークレー地球表面温度研究チームについても同じことが言える。この不確実さのせいで気温のあるトレンドが矮小化されることもある。例えば、過去13年間に地表温度が大きく変動しているため、その期間地球が温暖化し続けたかどうかを判断するのが非常に難しくなっている。
気温の上昇が止まった可能性が浮上したことでバークレー地球表面温度研究チームのメンバーの中で意見が割れた。論文執筆者としてマラー氏と名を連ね、ジョージア工科大学で地球・大気科学を担当するジュディス・カリー教授は英国の大衆紙デイリー・メイルのインタビューの中で、マラー氏の主張に疑問を呈した。マラー氏は「懐疑派であってはならない」とウォール・ストリート・ジャーナルのオピニオン欄で主張している。カリー氏は世界の気温が横ばいになったのであれば、新たな疑問が出てくるとだろうと述べ、科学的な懐疑論は今後も当然存在するだろうと指摘した。カリー氏はさらにコメントを求められると、ミューラー氏に問い合わせてほしいと回答した。カリー氏は自身のブログに、90分間ミューラー氏と話をした結果、「意見が異なる部分は多くはなかった」と記している。
地球の気候についてこのように厄介かつ細かい議論がオープンな場で行われたのは、バークレー地球表面温度研究チームが科学専門誌による論文審査の前にデータと論文を公開したからだ。同チームの研究について既に意見が届いており、これに基づいて情報の更新や訂正が行われている。同チームは今回研究した陸上の温度の記録に海の温度を追加したり、データベースの誤差を修正したりするなど、その他の作業も計画している。
マラー氏は言う。「ピア・レビュー(同分野の専門家による論文審査)が学術誌の匿名の審査員によって秘密裡に行われる審査だという誤った考えを持つ人もいる。われわれはマッキンタイアやブリッグスといった人々から素晴らしいピア・レビューを受けている。それが科学のプロセスというものだ」
記者: Carl Bialik
CO2、年間増加量が最高の伸び 最悪シナリオ上回る
共同通信
CO2、年間増加量が最高の伸び 最悪シナリオ上回る
【ワシントン共同】2010年の世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量は09年に比べて18億8千万トン増え、1年間の増加量としては過去最高の伸びを記録したことが3日、米エネルギー省のまとめ(速報値)で分かった。同省は日本の10年の排出量を09年比6・8%増の11億3900万トンと計算、日本が排出する約1・7倍の量が1年間で増えたことになる。
AP通信によると、排出量の増加は、今世紀末の平均気温が20世紀末に比べて4度上がるとした「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最悪シナリオの想定を上回る勢いで、さらなる気温上昇の恐れも出てきているとしている。
【共同通信】
CO2、年間増加量が最高の伸び 最悪シナリオ上回る
【ワシントン共同】2010年の世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量は09年に比べて18億8千万トン増え、1年間の増加量としては過去最高の伸びを記録したことが3日、米エネルギー省のまとめ(速報値)で分かった。同省は日本の10年の排出量を09年比6・8%増の11億3900万トンと計算、日本が排出する約1・7倍の量が1年間で増えたことになる。
AP通信によると、排出量の増加は、今世紀末の平均気温が20世紀末に比べて4度上がるとした「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最悪シナリオの想定を上回る勢いで、さらなる気温上昇の恐れも出てきているとしている。
【共同通信】
タイ洪水で露呈した、脆弱化する人類社会
日経ビジネスオンライン
タイ洪水で露呈した、脆弱化する人類社会
人口増加と都市集中化がもたらす新たな課題
ブライアン・フェイガン
2011年11月4日(金)
タイで起こった大規模洪水によって、被害は拡大を続けている。これまで11万人以上が避難し、さらに避難を急ぐ市民で交通渋滞が発生。物資不足や感染症の可能性もでてきた。
頻発する自然災害に、私たちは歴史から学ぶ事ができるだろうか。カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校のブライアン・フェイガン人類学名誉教授に、歴史からの教訓、そして現代の新たな問題を解説してもらった。
(取材構成は加藤靖子=在米ジャーナリスト)
モンスーンの影響から、タイで豪雨が続きました。このモンスーンは、「ラニーニャ現象」によって引き起こされています。東太平洋の赤道付近で海水温が上昇する「エルニーニョ現象」とは反対に、ラニーニャは太平洋に冷たい海水をもたらします。このラニーニャ現象が起こると、東南アジアで広範囲に豪雨をもたらすケースが多い。ラーニャから引き起こされたモンスーンが、悲劇的な洪水を引き起こしているのです。
最近の事例では、昨年から今年にかけてパキスタンでも洪水が起こっています。洪水は、穀物を壊滅させ、病気を蔓延させ、人々に過酷な住環境を強いる事になります。
しかしながら歴史的に見ると、洪水は現在だけに限らず、過去に数え切れないほど起こっています。ところが歴史を振り返ろうとするのは、実はそう簡単ではない。気象記録が残ってないという問題があるのです。
例えば、バングラデシュを例にとりましょう。この国では、台風で1870年代に20万人が犠牲となっており、1970年に起こった台風では少なくとも 50万人が犠牲になっています。史上最悪の台風の一つであるにもかかわらず、全容が伝えられず、記録から未だに分からないことが多いのです。
現在得られる情報というのは、過去のものとは異なるということを心に留めておかなければなりません。私たちは現在インターネットなどのおかげで世界中の天気や気候事象の詳細を、すぐに知ることができる。一方でバングラデシュで初めて台風などの気象レポートが開始されたのは確か1840年代のことです。ですから、近代のことに過ぎません。気候変動や災害というのは、歴史と共に常にあったのです。
地球は、乾いた気候へと向かう
とは言うものの、私は気象の専門家ではありませんが、現在の状態は異常気象と言った方がいいでしょう。まずは2通りの事象を考慮しなければならない。一つは長期トレンドの「気候」。もう一つは、日々の「天気」です。現在米国の東海岸で起こっている吹雪や、東南アジアで頻発しているモンスーンは、天気ということになりますが、個人的な経験から言うと、今まで経験した中で一番酷い状態が続いている。多くの専門家が、この先より多くの異常気象が起こると予想しています。
長期トレンドの気候としては、地球が温暖化しているということは、疑いようがないでしょう。地球がこの先すぐ直面するのは、乾いた気候に向かうということです。特に米国の西側や、エチオピアなどは、これから乾いた気候へと徐々に移行していくでしょう。将来的には、世界の乾燥地帯、準乾燥地帯で、長期的なかんばつが頻繁に起こることになると分析しています。
温暖化する地球に「私たちが何ができるか」というのは、大きな問題です。起こった大災害や悲劇だけにフォーカスしてしまうのは、何の助けにもなりません。大切なのは、何らかの解決策を見出していくことです。
一方で、解決策を考えるのは簡単なことではありません。なぜなら、例えば水の保存法を考えたり、台風から命を守る建築物を作るといったことは、長期的な計画性を必要とするからです。計画は、私たちの子供を守るだけでなく、その先の孫やひ孫の時代を見据えたものでなければなりません。しかし、次々と選挙をしながら変わっていく代表の下で、長期的な計画を議論するのは非常に難しいのです。加えて、私たち人間は、目の前の事を計画するよりも、長期的計画を一般的に苦手としています。
ではどうすればいいのか。2つの事を考えなければならないはずです。ひとつは、温暖化をどのように止めるかということ。もうひとつは温暖化と共にどうやって生きていくのかというこということです。
この二つを同時に取り組んでいかなくてはならないでしょう。二酸化炭素を削減することに大きく投資する。同時に新しく適応する生き方を模索し、創出するのです。例えば海抜の低い国土を持つオランダでは、洪水や温暖化に起因する海面上昇の対応として、水面とともに上昇する「水に浮かぶ家」が開発されています。また、バングラデシュでは、台風で水面が急上昇したときに耐え得るよう、コンクリート製の基礎の上に住居を建設しています。二酸化炭素排出の削減と共に、このようなイニシアチブを私たちは考えていかなければならないでしょう。
人口増加と都市集中化が、問題を深刻にする
現代の人口分布にまつわる、新たな問題もあります。過去と比較すると、現在、何百万人という人口が農業や生物界にとって厳しい環境に定住しています。そうした土地で直面しているのが、水の不足です。これは簡単に解決できる問題ではありません。
また、多くの専門家がこれからより多くの大きな台風が起こるだろうとも予測していますが、私もそうした予測が恐らく正しいだろう思っています。そこで私たちが直面する問題が、多くの人が沿岸の大都市に住んでいるという事実です。定住した人を移動させるというのは、簡単ではありません。2005年、テキサス州とルイジアナ州を襲ったハリケーン「リタ」の経験から言えることです。
祖先は危険を回避するために、移動するという選択肢がありましたが、現在はそう簡単にはいかなくなりました。私たちは集まり、都市という集合体に定住するようになった。これは新たに深刻な問題を生み出しました。
例えばロサンゼルスで大きな地震が起きたり、フロリダの沿岸のど真ん中に巨大なハリケーンが襲ったらと想像してみてください。日本の地震でも、同様のことが起こってしまいました。流動性と移動がなくなったという問題は、群れをなした世界が生み出した副産物といえるでしょう。
タイの洪水が浮き彫りにした、新たな課題
アンコールワット遺跡の存在からも分かるように、東南アジアには歴史的に大昔から社会が築かれてきました。そこではモンスーンや洪水といった自然災害に常に対処してきた過去があります。
現在の新たな問題は、私たちの人口が増えたこと、そしてより組織化された都市に集合して住んでいるということです。こうした変化は、洪水の自衛、避難、食糧問題の解決を、より困難にします。
さらに現代で生み出された貧富の差や、都市と地方の人口の差が、問題をより複雑化させているのです。この問題は実は200年ほど続いていますが、私たちは今まで向き合ったことがありませんでした。
アメリカ、中国、インドなど、どの地域をとっても、過去に祖先は少ない数の人間と生活を共にしていた。しかし、現在世界の人口というのは比べものにならないほど肥大化しました。人口が少なかったという事実が、祖先の災害対策をより容易にしたことは間違いありません。水、人口、災害と私たちが直面している問題は、よりスケールが大きく、熾烈なものになってきているのです。
タイ洪水で露呈した、脆弱化する人類社会
人口増加と都市集中化がもたらす新たな課題
ブライアン・フェイガン
2011年11月4日(金)
タイで起こった大規模洪水によって、被害は拡大を続けている。これまで11万人以上が避難し、さらに避難を急ぐ市民で交通渋滞が発生。物資不足や感染症の可能性もでてきた。
頻発する自然災害に、私たちは歴史から学ぶ事ができるだろうか。カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校のブライアン・フェイガン人類学名誉教授に、歴史からの教訓、そして現代の新たな問題を解説してもらった。
(取材構成は加藤靖子=在米ジャーナリスト)
モンスーンの影響から、タイで豪雨が続きました。このモンスーンは、「ラニーニャ現象」によって引き起こされています。東太平洋の赤道付近で海水温が上昇する「エルニーニョ現象」とは反対に、ラニーニャは太平洋に冷たい海水をもたらします。このラニーニャ現象が起こると、東南アジアで広範囲に豪雨をもたらすケースが多い。ラーニャから引き起こされたモンスーンが、悲劇的な洪水を引き起こしているのです。
最近の事例では、昨年から今年にかけてパキスタンでも洪水が起こっています。洪水は、穀物を壊滅させ、病気を蔓延させ、人々に過酷な住環境を強いる事になります。
しかしながら歴史的に見ると、洪水は現在だけに限らず、過去に数え切れないほど起こっています。ところが歴史を振り返ろうとするのは、実はそう簡単ではない。気象記録が残ってないという問題があるのです。
例えば、バングラデシュを例にとりましょう。この国では、台風で1870年代に20万人が犠牲となっており、1970年に起こった台風では少なくとも 50万人が犠牲になっています。史上最悪の台風の一つであるにもかかわらず、全容が伝えられず、記録から未だに分からないことが多いのです。
現在得られる情報というのは、過去のものとは異なるということを心に留めておかなければなりません。私たちは現在インターネットなどのおかげで世界中の天気や気候事象の詳細を、すぐに知ることができる。一方でバングラデシュで初めて台風などの気象レポートが開始されたのは確か1840年代のことです。ですから、近代のことに過ぎません。気候変動や災害というのは、歴史と共に常にあったのです。
地球は、乾いた気候へと向かう
とは言うものの、私は気象の専門家ではありませんが、現在の状態は異常気象と言った方がいいでしょう。まずは2通りの事象を考慮しなければならない。一つは長期トレンドの「気候」。もう一つは、日々の「天気」です。現在米国の東海岸で起こっている吹雪や、東南アジアで頻発しているモンスーンは、天気ということになりますが、個人的な経験から言うと、今まで経験した中で一番酷い状態が続いている。多くの専門家が、この先より多くの異常気象が起こると予想しています。
長期トレンドの気候としては、地球が温暖化しているということは、疑いようがないでしょう。地球がこの先すぐ直面するのは、乾いた気候に向かうということです。特に米国の西側や、エチオピアなどは、これから乾いた気候へと徐々に移行していくでしょう。将来的には、世界の乾燥地帯、準乾燥地帯で、長期的なかんばつが頻繁に起こることになると分析しています。
温暖化する地球に「私たちが何ができるか」というのは、大きな問題です。起こった大災害や悲劇だけにフォーカスしてしまうのは、何の助けにもなりません。大切なのは、何らかの解決策を見出していくことです。
一方で、解決策を考えるのは簡単なことではありません。なぜなら、例えば水の保存法を考えたり、台風から命を守る建築物を作るといったことは、長期的な計画性を必要とするからです。計画は、私たちの子供を守るだけでなく、その先の孫やひ孫の時代を見据えたものでなければなりません。しかし、次々と選挙をしながら変わっていく代表の下で、長期的な計画を議論するのは非常に難しいのです。加えて、私たち人間は、目の前の事を計画するよりも、長期的計画を一般的に苦手としています。
ではどうすればいいのか。2つの事を考えなければならないはずです。ひとつは、温暖化をどのように止めるかということ。もうひとつは温暖化と共にどうやって生きていくのかというこということです。
この二つを同時に取り組んでいかなくてはならないでしょう。二酸化炭素を削減することに大きく投資する。同時に新しく適応する生き方を模索し、創出するのです。例えば海抜の低い国土を持つオランダでは、洪水や温暖化に起因する海面上昇の対応として、水面とともに上昇する「水に浮かぶ家」が開発されています。また、バングラデシュでは、台風で水面が急上昇したときに耐え得るよう、コンクリート製の基礎の上に住居を建設しています。二酸化炭素排出の削減と共に、このようなイニシアチブを私たちは考えていかなければならないでしょう。
人口増加と都市集中化が、問題を深刻にする
現代の人口分布にまつわる、新たな問題もあります。過去と比較すると、現在、何百万人という人口が農業や生物界にとって厳しい環境に定住しています。そうした土地で直面しているのが、水の不足です。これは簡単に解決できる問題ではありません。
また、多くの専門家がこれからより多くの大きな台風が起こるだろうとも予測していますが、私もそうした予測が恐らく正しいだろう思っています。そこで私たちが直面する問題が、多くの人が沿岸の大都市に住んでいるという事実です。定住した人を移動させるというのは、簡単ではありません。2005年、テキサス州とルイジアナ州を襲ったハリケーン「リタ」の経験から言えることです。
祖先は危険を回避するために、移動するという選択肢がありましたが、現在はそう簡単にはいかなくなりました。私たちは集まり、都市という集合体に定住するようになった。これは新たに深刻な問題を生み出しました。
例えばロサンゼルスで大きな地震が起きたり、フロリダの沿岸のど真ん中に巨大なハリケーンが襲ったらと想像してみてください。日本の地震でも、同様のことが起こってしまいました。流動性と移動がなくなったという問題は、群れをなした世界が生み出した副産物といえるでしょう。
タイの洪水が浮き彫りにした、新たな課題
アンコールワット遺跡の存在からも分かるように、東南アジアには歴史的に大昔から社会が築かれてきました。そこではモンスーンや洪水といった自然災害に常に対処してきた過去があります。
現在の新たな問題は、私たちの人口が増えたこと、そしてより組織化された都市に集合して住んでいるということです。こうした変化は、洪水の自衛、避難、食糧問題の解決を、より困難にします。
さらに現代で生み出された貧富の差や、都市と地方の人口の差が、問題をより複雑化させているのです。この問題は実は200年ほど続いていますが、私たちは今まで向き合ったことがありませんでした。
アメリカ、中国、インドなど、どの地域をとっても、過去に祖先は少ない数の人間と生活を共にしていた。しかし、現在世界の人口というのは比べものにならないほど肥大化しました。人口が少なかったという事実が、祖先の災害対策をより容易にしたことは間違いありません。水、人口、災害と私たちが直面している問題は、よりスケールが大きく、熾烈なものになってきているのです。


